イブの私
シンシンと降る雪が窓を凍らせる。白く曇って、外が見えにくい。外からは華やかな喧騒が聞こえて来て、今日この日をみんなが楽しんでいた。
かくゆう私も、その中の一人であり私のそばには暖かな温もりがある。
自分を抱きしめる逞しい腕をギュッと握れば、その腕はさらに強く抱き返してくれて頭の上からふるおかしそうに笑う吐息が心地よかった。
そう、今日はクリスマスだ。みんなが気楽に楽しみ幸せを感じる日…─。
「クリスマスの馬鹿野郎───っ！」
しかし、そんな中怒りに電話に向かって怒鳴りつける女が一人…。
「好きで一人でいる訳じゃないわよっ！」
恋人がいるはずの彼女はどうやら一人で過ごさなければならないよ─…
「変なナレーション止めて頂戴！」
電話に一人怒鳴り続ける彼女は端から見ればヒストリックに叫ぶ哀れな─…
「いい加減にして！怒るわよ知香！」
「やぁねぇ。乗り悪い」
コロコロと楽しそうに電話で笑う知香と呼ばれた女は悪気がなさそうに言う。
茜は悔しそうに歯ぎしりして携帯をギリギリと握りしめた。
「…人の不幸が楽しい？」
「そんなこと言ってないじゃない？私は幸せをお裾分けしようと思ったの！」
そうはいっても事実そんなことを聞いても気分が落ち込むだけである。
まったく良い迷惑だ。思わずチッと舌打ちして髪をぐしゃぐしゃと手で乱す。
彼のためにと化粧して、彼に付き合いだして買ってくれた服を着て、着飾って。ケーキまで焼いて。自分が露骨でなんだか惨めだった。
今日がクリスマスだからと言って仕事が無くなるわけではない。事実私だって仕事があったし、彼にだってあった。
でも、それでも夜はあえるはずだったのだ。
一ヶ月も前に約束を取り付けて、少しずつ準備してきたのだ。
それが、それが…。
『今日？そう言えばクリスマスか。会えるわけがないだろう。この時期は一番忙しいんだ』
そうよ、そう言われたの。しかも、さっき！愛しの彼女が電話してして今日はいつ来れるのって聞いたの！そうしたらそれよ？
思い出して思わずソファのクッションを殴りつける。
何よ何よその態度は！せっかく楽しみにしてたって言うのに！良い言ったじゃない！会えるって！なのに、なのに!!
あんまりじゃない!!
「いやん、ダーリンから電話だわ！じゃ、ばぁい、あ・か・ね」
「もう一生電話駆けてくるんじゃないわよ！馬鹿!!」
電話の向こう側から聞こえた脳天気な声に、思わず怒鳴りつけて電話をブチッと切った。
人の不幸を楽しみやがって…。
茜はイライラとしながらも諦めたようにため息を吐き出した。
このクリスマス一色の自分の部屋にも居たくなかった。
まったく、過去の自分を呪うわ…。
分かってたことでしょう？我慢しなさい、茜。
自分にそう言い聞かせてしかし、部屋を見てもう一度肩を落とした。
この部屋には居たくなかった。
茜は上着を着てマフラーを首に巻くと、自宅のドアに手を掛けた。
ドアをキィッとあけると冷たい風が入り込んできて首をすくめた。
雪は降っていない。あるのは冷えた風だけだ。
そして彼女は歩き出した。自分を少しでも温めてくれる癒しの場へと…。
そう、これはそんな彼女のクリスマスの物語である。
彼女が入ったのは馴染みの喫茶店だった。名前は〝Veil〟。
ここは彼女が社会に出た時に見つけた隠れ家的な場所でかなりの常連だ。
入ると必ずマスターが暖かいコーヒーと笑顔で迎えてくれる。茜はここに来ると決まってカウンター席に座った。
そして今日もその例に漏れず茜はカウンターに座っていた。
ここに入ってきたときのマスターの顔ったら。
『いらっしゃ…茜ちゃん？』
目をまん丸く見開いて驚いたようにその動きを止めていた。
それもそのはず。彼には約束を取り付けた日から今日の計画を喜々と語っていたのだから。
『トシ君に何かあったのかい？』
トシとは…─彼、俊之の事だ。
そう言われて心配な顔をされた日には妙に悲しくて泣き出しそうになった。別に何かあったのではなく、忘れられていたのだから。
こういう事は実は珍しくない。そしてある度にここに来て慰めてもらっているのだ。
おそらくよりもマスターの方が私のことを知っているだろう。
でも、仕方ないのだ。彼を選んだのは自分。しかも迫ったのも。
彼とは勤める会社も違う。
私は勤めている会社の営業部にいる。それなりに仕事をしているし。順調。
そして彼とは取引に行った会社で出会った。私は彼に対応されて、まぁ、いわゆるヒトメボレだ。
それから私は俊之と付き合い出すまで血の滲む努力をしてきた。
それで、やっとやっと…。しかし条件を付けられたのは確かだ。
当たり前ではあるのだが納得できない。
分かっていたことなのだ。彼を見ていたのだから。
『ただし条件がある。
俺の仕事に文句を言わないことと、俺の許可なしに家には来ないことそれだけ守ってくれるなら良いだろう』
彼は、仕事の鬼だった。後、冷静でプライベートでは基本的に無表情だ。静かなところが好きなのも知ってる。でも根が優しい人なのは分かってる。他人に踏み込まれるのが嫌なのも。
でも、そんなところも含めて好きなのだ。
こんな事を考える度にマスターに慰められる度に考えた。
何で私俊之が好きなんだろう。マスターの方が随分優しいのに。
マスターだってまだ30代で若い。このお店は彼のお父さんから引き継いだそうだから。
顔も格好良いし、性格も優しい。妻帯者だけど。ちなみに二児の父。
愛人願望は無いけども。やっぱり思う。でも俊之じゃなきゃ嫌なのだと考える度に思い知らされる。
一線を引かれてるのは分かってる。彼はいつも遠い。
本当はもっと近づきたい。今はまだ駄目だと分かっていても…。それにしても。
茜はため息をついて、視線を自分の横へと落とした。
そこにあるものをみて、思わず冷たく言い放つ。
「あんた何でここに居るの」
「ずずっ…ごうぐんのばが─…グスッ」
鼻をズズとすすりながら泣き崩れた女─…まさしく先ほど携帯で会話していた知香がそこにいた。
雰囲気をぶちこわしにするその有様に呆れる。
顔は恐らく気合いを入れていたのだろうメイクが涙で酷いことになっている。
あまりの有様に思わず引いた。
しかし、胸がすっとしたのも確かだ。ここで泣いているということは恐らく私のお仲間になったのだ。
茜はニヤリと笑うと言葉を落とす。
「何々─？ドタキャンですかぁ─？」
「うわーんっ茜のばが──！」
出てきた言葉は肯定を示す。
とりあえずあの腹立たしい電話は少し許してやろうかと思った。
マスターはコーヒーをコポコポ入れながら苦笑いしてこちらを見ていた。
人の良さがしみ出ている。その眼差しは娘に向ける父親の様なものだけど。
「二人とも、折角のイブなのにね」
穏やかに慰めるマスターに知香も落ち着いてきたようだ。
彼女もどうやら仕事で断られたそうで、上司に呼び止められたとかで。
何処も同じって事か。
巻き添えが出来たことで少し気持ちが落ちついた。
そして、スッと目の前に差し出されたものに知香と私はパチパチと瞬きした。
「…何？」
「…え？」
戸惑いそれを見つめる私たちの頭の上からマスターの声が降る。
「マリークリスマス。傷心の乙女におじ様からささやかなクリスマスプレゼント」
マスターが口元に人差し指を当てて戯けたように「内緒な」と良いながらそれを差し出して、感激した。
なんて、何て優しいの！
私も知香もマスターの手をひしと取って感謝を述べる。
知香なんかマスターの頬にキス何か送っちゃって慌てた。
そして、私たちの手に渡ったのはこの辺り出有名なケーキの食べ放題券だった。
「もう、最高！マスター大好き!!」
「ちょ、知香落ち着いてっマスターありがとう！おみやげにケーキ買ってくるからね！」
マスターはおかしそうに笑いながらひらひらと手を振って私たちを送り出した。
「折角のイブなんだから楽しんでおいで」
マスターに正しくはマスターの一家にケーキをおみやげに買うことを約束して私たちは喜々と喫茶店を後にした。
マスターはやっぱり何処までも素敵だと、知香と二人で語り合ってケーキ屋へ急ぐ。
なんだか楽しかったけど、少し虚しくもあった。
…色気より、食い気なのね所詮。フッと笑いながら取りあえず今日は俊之忘れて楽しもうと気合いを入れたのだった。
感想を言えばケーキはとんでもなくおいしかった。
今日なんか特に傷ついた心にはとても、しかもただ。とってもおいしかった。
そしてもう一つ発見。
私たちの様な女性は割と多いと。結構見知った人達がやけ食いのようにケーキを食べているのを見つけてなんだか平和な気分になった。
知香なんかその人の所にすっ飛んでいって一緒にやけ食いを始めた。
彼氏の口を言いながら。
思わず呆れるが、私も参加して会話にも花が咲いて、ケーキはおいしいし。なんだか最高に気分が良かった。
ケーキと一緒にワインやカクテルを呑んだりもして、久しぶりの友人の再会も嬉しかった。
酔いに任せて愚痴を言って、なんだかすっきりした気分だ。
茜はマスターで落ち着いて来ていたので自制していたが知香はそうじゃなかった。見事に酔っぱらって、しかもケーキを食べ過ぎて苦しいとか言い出したり。
見つけた友人は、少し前に帰った。
同じようにお腹が苦しそうだったけど、酔っては居なかったから大丈夫だろう。
そう言う私もケーキは食べ過ぎていないが、ちょっと酔いが回り始めている。フワフワして気分が良い。でも足腰はしっかりしてるし、呂律もちゃんと回ってるから顔が赤くなってる程度だろう。
「あかねぇ～、あたひもうらめよぉ！けんたんはぁ、わたひがきらいなのよー」
「はいはい、そんなことないから」
知香はぐちぐちと被害妄想を始めた。
いつもなら聞かないところだが気分が良いから適当に聞き流す。
『本日はご来店誠にありがとうございます。まもなく閉店時間になりますのでお帰りの準備をお願いいたします』
ぐちぐち言う知香をよそに放送が響き、店の中はザワザワと動きだす。
時計を見ればもう良い時間だった。
「ほら知香ぁー？帰るわよぉ」
「いやぁ─…」
テーブルにへばり付く知香を見て思う。正直面倒だった。せっかく気分が良いし、マスターのケーキも確保したし早く帰りたい。
取りあえず、ほおって置いても店の人が何とかしてくれるだろう。
そう簡単に判断して、ぺたぺた歩き出すと、心細くなったのか知香は後ろからとてとてと付いてきた。
茜の腕に縋り付いて何か、甘えた声を出し始めてる。
茜はなんだか、私代わりにされてる？と思いながら体温が気持ちよかったので放置することにした。
店を出て喫茶店に着くまでそんな感じだったけど、途中で知香の携帯が鳴り出してびっくりした。
「もひもひ～？ちかですぅ？」
思いっきり酔っぱらいの対応だ。
どうやら少し前から何度か鳴っていたようだった。
電話の奥から怒鳴り声が聞こえる。きっとあれだ、彼氏だ。
『お前何処に居るんだ！しかも酔っぱらってるな！？』
「けんたん、うるはぁ～い」
耳を塞ぎながら唸る知香が思わずうらやましかった。
私には電話も掛かってこない。
『何が煩いだ！呂律も回って無いじゃないか！』
「そんなことらいよ～」
へらへらという知香を見て、思わず彼氏がかわいそうになった。
合ったこと無いけど。
だから取りあえず携帯を取り上げて彼に居場所を教えて上げた。
驚かれたけど、安堵と感謝をされた。知香が文句を言いながらたたいてたけど無視して行った場所に引きずっていってあげた。
私って優しい。
知香の彼氏は格好良くて優しそうだった。お疲れ彼氏君。
茜はカラン小さく音が鳴る。Ｃｌｏｓｅと書かれた板がぶら下がったドアを構わず開けた。
電気が漏れてたし、おみやげを買ってくると言ったので待っててくれるだろうと思ったから。事実、鍵は開いてた。
マスターはそう言う人だ。
「あ、お帰り。楽しめたかい？」
穏やかに言うマスターにお礼を言っておみやげのケーキをあげた。
マスターは喜んでくれて嬉しかった。後片付けも終わっていたようで、クリスマスなのに私を待っていてくれたようだ。
片づけた筈なのに、麦茶まで出してくれた。
なんだか抱きつきたくなったけど、マスターの温もりは奥さんのものなので我慢した。
「あれ？知香ちゃんは？」
「知香は酔っぱらって途中で彼氏から電話が来て帰ったよぉー」
そういったらマスターはにっこり笑いながらそうなんだ、と呟く。茜も同意で小さく頷いた後ゴソゴソと鞄を探って携帯を探し出した。
ちょっと希望があったのかもしてない。もしかして、って。
「…あ、やっぱり来てないかぁ」
「なにがだい？」
マスターに言い訳混じりで言う。
しかし、マスターは話の途中で少し考えたような顔をしながらその指で私の携帯を指さした。
「茜ちゃんそれ、電源入ってるかい？」
「へ？」
言われて、首を傾げながらパカッと開いてみる。
携帯はぴくりとも光らなかった。
どうして、切れてるんだろう考える。思い出すのは知香のふざけたナレーションだった。
そう言えばあの時怒りにまかせて切ったような気がしないでもない。
取りあえず、電源を入れてみる。
まぁ、どうせなんにもきてな──…
しかし、予想に反して携帯は電源を付けた途端けたましく鳴り始めた。
茜は思わず短く悲鳴を上げた。
マスターはびっくりしたように携帯を見た後、苦笑いしながら固まる私に出る様に言った。
「ほら、切れちゃうよ」
「…はい」
恐る恐る、ピッと通話ボタンを押して耳にそれを合ってる。
もしもし─…と口を開くより先に、向こうから静かな声が聞こえた。
『茜か？』
聞こえたのは聞き慣れた低いテノール。紛れもなく、俊之だった。
驚いて思わず持っていたコップをテーブルに落とす。誰からか確認してなかった。
マスターがぎょっとする気配を感じたけど、構ってられなかった。
「とし、ゆき？」
口から出たのは間の抜けた声だった。
取りあえず、電話をくれたことが嬉しくてなんだか身体の力が抜ける。
テーブルにへたっと手を付くと濡れた感触がした。
『今、何処にいる？』
俊之の声がする。でもそれどころじゃなかった。
服が麦茶で茶色き染まる。思考が止まった。俊之が、くれた服が…。
「やだ…」
『茜？』
その時、マスターがタオルを持って急いでくるのが見えた。
服は白だったし、スカートにもこぼれてる。
まずいと思って持ってきてくれたんだろう。
「茜ちゃん、これではやく拭いて」
マスターは電話を気遣って小声でそう言った。そう言って差し出されるタオルを受け取って急いで麦茶を拭く。
しかし、やっぱり私はこのとき酔いが回っていたのだ。だって、服も気にはするけど、きっと俊之のことを忘れたりしないもの。
『…茜。今、一体何処にいる』
耳元から聞こえた声に動かしていた手を硬直させる。聞こえた声はさっきよりも酷く低かった。
…お、怒ってる？
「俊之…？」
『今すぐ言え』
本能で恐怖を感じた。
まずい。何で怒ってるのかわかんないけどまずいことは分かる。
「二番通りの良く行く喫茶店の〝Veil〟に居、る…」
『分かった』
低く俊之はそう言いはなって、一方的にプチッと電話を切った。
思わず茫然と携帯を見つめると、マスターが心配そうに「大丈夫かい？」と声をかけてくれた。
答えようが無くて微妙な顔をする。怒ってた。俊之が怒ってた。何で？
取りあえず、手だけは動かした。結果、服は早く拭き取ったおかげで何とかなったので安堵した。
マスターも仕事増やしてごめんなさいって謝ったら良いんだよって言われてその優しさに思わず目が潤んだ。
その時だった。
まるで力任せみたいにドアがバアンと開けられたのだ。
冷たい風が入り込んできて思わず身体が震えた。
振り返った先にいたのは、俊之だった。
「あ、俊之！」
声を思わずかけたが、彼はこちらを見なかった。その視線は何故かマスターを見てる。
それでも来てくれたのが怒ってても嬉しくて。思わず足を俊之に向ける。しかし、それよりも先に抱き寄せられて茜は目を見開いた。
今度はちゃんとこっちを見てた。
「俊之？」
名前を呼んだらしかし、厳しく眉を寄せられた。
思わず怯えて肩が震える。俊之の怒った顔は、怖い。
「酒を飲んだのか」
何でそんなことを聞くのか分からなかったけど、取りあえず小さく頷いた。
俊之は視線を鋭くしてジロッと何故かマスターを睨み付ける。
意味が分からなかった。
混乱するうちに「行くぞ」と腕を引っ張って外に連れ出そうとする。いつもこんなことする人じゃないのに。
「ま、マスター今日はありがとうね！あとごめんなさい」
茜が急いでそう言うとマスターは苦笑いしながらひらひらと手を振った。
しかし、その間に俊之に車に押し込められてあっという間にそれは走り出した。
車を運転する間も俊之はイライラと怒っていた。
茜は何で俊之が怒っているかも分からず混乱する。
「何で怒ってるの？」
俊之は、前を見たまま視線を鋭くして苦々しく顔を歪める。
「…せっかく急いで仕事終わらせて来たら、携帯は電源が切ってあって家にも居ない。
やっと出たかと思ったら、男の声がしたんだぞ？」
それを聞いて、驚いた。
そんな風にしてくれたとは思っても見なかったのだ。
茜は携帯を取り出して履歴を見るとまた目を見開いた。１０時くらいから２０分おきに電話が掛かってきていた。
全部、俊之だ。心配してくれたんだ。きっと。
それにと、茜は思う。
やっと出た電話に男の声、つまりマスターの声が聞こえたから怒ってる？
それって、嫉妬してくれたって事だよね…？心配して探してそして。
「…ごめんなさい。でも嬉しい」
俊之は答えなかった。
相変わらずトゲトゲした空気を出してるし怖い顔をしてるけど、茜はどうしようもなく幸せだった。
だって、それって私を好きなんだって事だよね？
シートに身体を預けて、にまにまと思わず笑う。
車のシートは俊之の匂いがした。
お腹はいっぱいだし、幸せだし、暖かいし、クリスマスだし、俊之がそばにいるし。そこは茜に取って心地が良すぎた。
その安心感に、思わずうとうとと目蓋が落ちる。
今日は良い夢が見れそうだった。
ただ、眠りに落ちる前に見えたのは黒い空から振り落ちてくる白い雪と、恋人の横顔だったのだ。
Fin